まずは「1 雑則」で全体について触れ、次に「2 歩兵小隊移動」で、中国人民義勇軍に特徴的な移動のルールについて触れる。
1 雑則• 日本軍のように、ステップ減少する(W7.21,W7.28)
• 静粛 (A11.17)である。星弾の利用制限 (W7.7)。AFVの援護と跨乗兵不可 (W7.9)。
• 突撃工兵は白燐煙幕手榴弾を使用可(W.5)。
• 1950年10月から51年3月のシナリオでは、弾薬減少(A19.131)が影響し、支援火器の修理ナンバーは1である。
• 擲弾兵分隊・半個分隊が存在する。擲弾兵分隊・半個分隊は、射程が(1)と表記されていて、射程は1ヘクスである。遠距離射撃と阻止はできない。近接射撃で火力は2倍にならず、TPBFで火力は3倍でなく、2倍となる。支援火器と砲の使用・修理はできない。
• 指揮官(W7.3)と政治将校(W7.31)は、コミッサールのように士気を1上昇させる。
• 政治将校(W7.31)は、回復時にDMのペナルティを+4ではなく+2に低減する。
• 中機関銃・重機関銃・軽迫撃砲・バズーカ・ロケット砲は、分隊・半個分隊が使用する場合、ROFと故障値が1低下する (W7.91)。
• 指揮官に指揮されていない統制状態の人民志願軍分隊・半個分隊が、準備射撃フェイズ(PFPh)と待機射撃で『隣接』していない目標を射撃する場合、地域射撃となり火力が半減する (W7.41)。
• 分隊と半個分隊は、歩兵小隊移動 (W7.42)(後述)。
• 日本軍のように、格闘戦を実施し、-1の修整を受ける (W7.97)。
• 対戦車白兵戦前タスクチェック(PAATC)と、単独兵(SMC)に対する歩兵オーバーラン前のタスクチェックは必要ない(W7.94)。
• 分隊は、火力の劣る敵半個分隊に対して歩兵オーバーランができる (W7.6)。
• 移動フェイズ(MPh)の開始時に、統制状態の指揮官がいれば軍隊ラッパ(チャルメラ)を吹ける(W7.8)。吹いたターンは、隠蔽の獲得に+1修整、歩兵小隊移動を用いずに移動したいときのタスクチェックに-1修整(後述)。国連軍は、1950年10月から51年3月のシナリオでは、昼間でも恐慌射撃の可能性がある(中国人民志願軍の地上ユニットが移動する際にサイコロを振って判定するが、恐慌射撃に影響されるのは国連軍のみである)。
• 築豪の試みに-1修整(W7.92)。
• 隠蔽の獲得の試みに-1修整。隠蔽地形にいれば、敵ユニットから見えていても、LOS妨害が+2あれば隠蔽の獲得を試みられる(W7.95)。
• 民間人の情報(E2.4)が常に適用される(W7.9)。
• エリート分隊・半個分隊は存在しない(一線級がクラス上昇したら戦意高揚)が、シナリオ開始時に火炎放射器・爆薬を所有していた一線級分隊・半個分隊や突撃工兵は、エリートであるかのように、これらの支援火器を使用できる(それらの分隊が損耗した半個分隊は可だが、使用能力を持たない半個分隊と統合してしまったら不可)。
• 新兵・徴集兵分隊・半個分隊は存在しない。二線級がELR超過しても、戦意喪失しない。
2 歩兵小隊移動 移動フェイズ中、統制状態の中国人民志願軍の分隊・半個分隊は、例外事項を除いて、歩兵小隊移動を用いなければならない(分隊や半個分隊ではない、ダミー・操作班・単独兵(SMC)や、偵察ユニット(W7.5)は、歩兵小隊移動が必須ではないが、参加できる)。
ルールブックと叙述の順序が逆になるが、歩兵小隊移動を用いなくてよい例外事項から先に説明していく。
2.1 歩兵小隊移動を用いなくてよい事例(W7.4231)・自身の移動フェイズ(MPh)に1 区域以下の移動を行う。

・自身の移動フェイズ(MPh)を、最初から最後まで指揮官とスタックして移動する。

・盤外からの進入(歩兵小隊移動をしてもよい。その場合はW7.4222参照)。

・自身の移動フェイズ(MPh)の最初のMF消費として、輸送手段に乗る。

・輸送手段から降りる。

・火炎放射器か爆薬を持っている。

・突撃工兵(H1.22)、工兵(B28.8;H1.23)、やコマンドウ(H1.24)のいずれか。

・戦意高揚状態である。

・秘匿されている(E1.4)。

・進入する最初の区域が地下道(B8.2)/洞窟/複合洞窟(G11.)区域である。または、トンネルに進入する(B8.6)。

・自身の移動フェイズ(MPh)で進入するそれぞれのヘクスが、壕、トーチカ、洞窟のいずれかを含んでいるか、あるいは洞窟の出入り口ヘクスである。

・自身の移動フェイズ(MPh)開始時に、「目標」ヘクスを指定する。
移動フェイズ(MPh)に進入する新たなヘクスは「目標」ヘクスへの距離(ヘクス数で数える)を縮めるか、それに隣接するものでなければならない(盤外退出を含む;A26.23)。
「目標」ヘクス、はLOS(Line Of Sight)がある、加えて以下のいずれかの条件に当てはまるヘクスである。
a) 確認状態の敵の複数兵カウンター(MMC)か車両を含み、かつ4ヘクス以内である。
b) 乗ることが可能な自軍輸送手段を含み、かつ3移動力(MF)以内である。
c) 勝利条件ヘクス(又は勝利条件区域/建物を含むヘクス)である。
d) 除去とみなされずに退出できる(A26.221)盤端のヘクスである(退出後の扱いは、W7.4223)。
2.2 上の事例に当てはまらず、小隊移動でなく移動したい場合 人民義勇軍分隊・半個分隊が、上の事例に当てはまらず歩兵小隊移動でなく移動したい場合、自身の移動フェイズ(MPh)の開始時にタスクチェック(NTC)パスしなければならない。失敗した場合、1区域しか移動できない。
このタスクチェック(NTC)は、隠蔽を失う行動ではなく、狙撃手・ブービートラップも活性化しない。
2.3 歩兵小隊移動2.3.1 歩兵小隊移動を実施できる条件
『隣接』区域でつながっていて、統制状態で、移動の自由があり、自身の移動フェイズ(MPh)をまだ開始していない複数兵カウンター(MMC)1個以上と指揮官1人以上で、歩兵小隊移動を実施できる。
指揮官は、この歩兵小隊移動に加わっても良いし、加わらなくても良い。ただし、加わらなかった場合でも、別の歩兵小隊移動を実施したり加わったりはできない。言い換えれば、指揮官は歩兵小隊移動を始める際に必要だが、その歩兵小隊移動に加わってもよいし、別に移動しても良い。
2.3.2 歩兵小隊移動の実施方法
歩兵小隊移動の実施は、インパルス移動(D14.3)を用いる。すなわち、一回のインパルスごとに、全体が同じ移動力(MF)を消費する。消費する移動力(MF)は、その小隊に参加しているユニットの中の、そのインパルスで一番多く移動力(MF)を消費しているユニットの消費した移動力(MF)に等しい。
歩兵小隊移動に参加しているユニットは、各インパルスの終了時、連続した隣接ヘクス/区域の連鎖になるよう移動しなければならない。
2.3.3 歩兵小隊移動から外れるとき
除去・混乱・釘付け・狂暴化した場合、そのインパルス終了時点で、そのユニットは歩兵小隊移動の一部ではなくなる。
負傷した単独兵(SMC)は、自発的に歩兵小隊移動の一部でなくなることができる(そうした場合、その移動フェイズ(MPh)は終了する)。
歩兵小隊移動中に狂暴兵が発生した場合は、まず狂暴兵の襲撃を解決し、そのあとで歩兵小隊移動を再開する(W7.4224)。
歩兵小隊移動から外れたユニットがあって連続した隣接ヘクス/区域の連鎖が保てなくなった場合、次のインパルス終了時に要件を満たすように移動しなければならない。それができない場合、その歩兵小隊移動は終了し、参加しているすべてのユニットは現在の区域で自身の移動フェイズ(MPh)を終える。
盤外からの進入と盤外への退出時は例外事項がある。
2.3.4
指揮官が加わった歩兵小隊移動は、全体の移動力(MF)が+2される。
歩兵小隊移動は急速歩移動してもよいし、警戒移動してもよい。どちらの場合も、歩兵小隊移動に参加しているユニットすべてに影響する。
2.3.5 歩兵小隊移動中にできないこと
歩兵小隊移動中は、以下のことができない。
・輸送手段に乗る。
・ダッシュ(A4.63)。
・索敵(A12.152)。
・爆薬の設置(A23.7)。
・地下道(B8.1)/トンネル(B8.6)/洞窟/複合洞窟(G11.)への進入。
・登攀(B11.4)。
・撤去の試み(B24.7)。
・砲の連結/切り離し(C10.11;C10.12)。
・砲の人力移動(C10.3)。
・水泳(E6.)。
3 参考 ルール引用文は、"A grove of ASL"に公開されている和訳に依ったが、筆者が一部訳しなおした部分がある。
以上
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コメント
ありがとうございます
早速活用させていただきます。
2021/08/22 19:55 by hamakousien URL 編集
Re: ありがとうございます
自分も理解しやすくするために、まとめてみました。
理解が進みました。
共有がお役に立てれば幸いです。
間違いなどありましたらご指摘ください。
2021/08/23 20:58 by Author URL 編集